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岡田尊司著「愛着アプローチ(医学モデルを超える新しい回復法)」

岡田尊司先生の愛着理論は子どもと接している人は

とても参考になります。新刊をご紹介します。

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「医学モデルでは対処できない問題に出くわしたとき、しばしば有効なアプローチとなるのが、本書のテーマである愛着アプローチである。(略)特に有効なのが、子どもの問題や親子関係、夫婦関係など、親密な愛着関係がからむ問題・・・」

「医学モデルがその人の可能性を狭めてします危険性も指摘されている。病気や障害と診断されたために、周囲も本人も過度に期待することをやめ、それによって負荷や葛藤が減り、安定した生活が送れるようになったケースがある一方で、病気や障害だから仕方がないと、将来の可能性まであきらめてしまうケースも少なからずあるからだ。
たとえば、ある内気な少女は、小学生の時、受診した医療機関で、知的障害を伴う広汎性発達障害と診断された。それまで何とか指導しようとしていた母親も、障害なら仕方がないと、その後は教育にも関心をなくし、本人の好きなようにさせた。いじめから学校を休みがちになっても、自宅でゲームや漫画に明け暮れるままにしていた。中2になっても、アルファベットすら書けず、辞書も引いたこともなかった。・・・いさかいが増え、体も大きくなった娘を抑えきれなくなった母親は、筆者が顧問を務めるカウンセリング・センターに助けを求めた。若手の女性心理士が担当することになり、話を聞いたり、勉強を教えたり、社会的スキルのトレーニングをしたりすることになった。最初は嫌々やってきた少女だったが、心理士に会うことを楽しみにするようになった。2年後少女はまったく別人になっていた。高校に通い、一番苦手な英語も、合格点が取れるようになった。医療系の仕事に就くことが将来の夢だと語るようになった。
 なぜ、ここまで回復できたのか。最大の理由は、母親は、障害という診断を聞き、何をしても無駄だと諦めてしいまったのに対して、女性心理士は、少女の中に眠る可能性を信じてかかわりつづけたのだ。医学モデルが下す「障害」という診断は、危険な一面もある。あまりにも尚早に、「障害」と診断されたために、周囲があきらめモードになり、必要な働きかけを怠ってしまうことも起こり得る。医学に対する信頼性が高いだけに、その宣言は、途方もない影響力を持ってしまう。」

「愛着モデルは、その人の「安全基地」が上手く機能し、愛着が安定していることが、ストレスからその人を守り、心身の健康を支えてくれるだけでなく、外界への積極的なチャレンジや社会参加をバックアップすることにより、高い適応力やパフォーマンスをもたらすと考える。子どもにあっては、知的、情緒的、社会的発達や心身の成長を応援する。」

「愛着モデルでは、その人が幸福に生存するうえで第一に重要なことは、その人の安全基地が上手く機能し、安定して愛着関係を維持していることにあると考える。それゆえ、その点を損なっている事態がないか、まず注意を払う。(略)現在、増加が目立つのは、安全基地であるはずの存在がいちばん足を引っ張っているというケースである。医学モデルが、通用しなくなっている原因の一つがそこにある。」

「同じ遺伝子をもっていても、生後早期の段階で、恵まれた環境で育った場合と、そうでない場合には、遺伝子の発現が変わってきて、全く異なる行動パターンや性質を見せるようになる。ADHDの遺伝子をもっていても、親が共感的かかわる場合には、子どもは、あまり行動上の問題が見られないことも知られている。特に幼い頃の母親の感受性が、行動上の問題を表面化させるかどうかを大きく左右するという。環境要因がADHDのリスク遺伝子の発現に重要な役割を果たすのである。」

「愛着モデルもまた、生物学的なモデルの一つであり、人間にだけではなく、哺乳類全般に当てはまるモデルである。心理学的モデルも、もちろん重要なものなのではあるが、生物学的なモデルは、より直接的に生存にかかわっている仕組みを説明するものである。心理学的な現象が、せいぜい百万年程度の歴史しかもたないのにたいして、生物学的なメカニズムは何百万年という時間の中で生き残るために進化してきた仕組みである。より土台の部分にかかわっていると考えられる。心理学的モデルは、上位構造やその機能を説明するものであり、下位構造にかかわっているのが生物学的モデルなのである。そして、薬理学的モデルや医学モデルも、生物学的なモデルに基づいている。(略)生物学的な仕組みの方が土台にあるので、土台を痛めつけながら、上物だけを改善しようとしても、上手くいかない。土台である愛着部分を傷つけられたことで、その上に乗っかっている認知も、よけい不信感を強める方向に傾いてしまったのだ。(略)優れてカウンセリングや心理療法において行っていることは、純粋に心理学的な操作だけでなく、愛着への働きかけといった生物学的な関与もなされている。」

岡田尊司著「愛着アプローチ(医学モデルを超える新しい回復法)」より抜粋




岡田先生ご自身、京都医療少年院などで困難な課題を抱えた若者

達と向かい合い、現在は岡田クリニックの院長として、様々な問題

を抱えた子どもたちと向かい合う中で、医療では解決できない問題

を試行錯誤しつつたどり着いた今の答えが「愛着アプローチ」なの

だと感じました。

私も自身の体験として共感する部分が多く、子どもの問題行動に

対応する時に、「安全基地」として機能を一番大切にして、愛着に

アプローチすることは、とても有効な手立てだと実感しています。

しかし、このことを理解してもらえる人は少なく、当たり前すぎて

言葉にしてもなかなか伝わりにくかったり、内面的なことなので

見過ごされやすいのです。

岡田先生は実践をもとに、「愛着」の重要性を理論的に説明され

ています。

岡田先生はこうも言われています。

「これまでの研究では、恵まれない遇にもかかわらず愛着が安定している人では、振り返る力であるリフレクティブ・ファンクションが高いと指摘されている。また、不安定な愛着の人が、安定型の愛着に変わっていくとき、リフレクティブ・ファンクションが高まり、自分の状況を客観的に振り返ったり、相手の立場にたって考えたりすることができるようになることも知られている。
振り返る能力と、相手の立場にたって思いやる能力は、自分の感情や利害といった狭い視野を超えて別の視点で事態を見るという意味において、どちらも自己超越の営みといえる。自分の痛みや恨みといったとらわれを脱するためには、自己超越することが最大の課題になるのである。」

母親の問題で安全基地が不安定で、安定した愛着を得る

ことができなかった傷ついた心を持った人が、自分を受け

入れ母親を受け入れるまでの過程は簡単な道のりでは

ありません。

振り返る能力と相手の立場にたって思いやる能力を身に

つけることで、母の生い立ちや境遇に目をやることができ

るようになり、そこではじめて母を許すことができ、自分を愛し

受け入れることができるのではないかと思います。




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カテゴリ:絵本(本)紹介
子どもの成長・発達を考慮した親の対応

様々な子ども達と接していると、それぞれに大なり小なりの問題を

抱えています。大人が子どもの問題ばかりに気がいってしまい

焦ったり、やらせようとしたりすると、子どもの心が傷ついたり

反抗がひどくなったり…大人の対応次第ではますます問題を

悪化させてしまうのではないかと感じることがあります。

かといって問題から目をそらせばいいということでもありません。



心配をしつつも、それよりも日々の生活の中で子どもと心の

通った双方向のコミニュケーションを大切にすることは

問題を肥大化させて、子どもを追い詰めてしまうよりも

大きな成果があると実感しています。

そうした方が、子ども自身安心して自分のペースで成長し

続けることができます。


文字ではありませんが、右の形を左に書き写す課題

5歳の頃に書いたもの。名前もまだ書けません↓

KIMG0616 - コピー

数か月後に書いたもの。名前は出していませんが

名前もしっかりした字で書いています↓

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文字ではありませんが、1年生になる前には

私が言った言葉をイメージして絵にしています。

「公園にネコさんが3びきいました。あとから5ひき遊びに来ました。

公園にネコさんは何匹いますか?」というお話を絵に描いてくれま

した。数か月前までは、自信がなくて絵を描くのを嫌がっていたの

ですが、こんなに素敵な絵をイメージして描けるようになっている

のに感動しました!ブランコや滑り台、鉄棒、のぼり棒、平均台

等、「公園」と聞いただけで経験したことをイメージし、しっかり

描いています。

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この女の子は、3歳前後までおしゃべりをしませんでした。

こちらの言葉は理解をしていたので、心配をしつつも

お母さんとお話をして、見守っていました。

原因はおそらく、おばあちゃんが、〇ちゃんがおしゃべりする

のがあまりにも可愛くて、何度も言わせたり、言い直しをさせ

していたことと、自分が苦労をして言わなくても、何の不自由も

なく生活ができていたことだろうと予測していました。

〇ちゃんは幼稚園に行きだすと、とにかくおしゃべりをしないと

先生に何も伝わらないことがわかると、いつの間にか

おしゃべりな女の子に変身していき、お母さんと一緒に驚かさ

れた記憶が鮮明に残っています。


文字も同じで、お兄ちゃんは文字に興味をもつのが

早かったのですが、〇ちゃんは文字も、お絵かきも

他の子がやっていても、「しない!」の一点張りで

全く興味を示しませんでした。

5歳の頃にはじめてチャレンジしてみたものの、すごく

か細い自信のない線で書いたのも印象的でした。

年長さん後半頃になると、いつの間にか、字も絵も

お友達と一緒に楽しんで書くようになっていました。


どんなに小さくても子どもには意思があり、子ども自身の

心が成熟するまで待つことの大切さ。みんなと同じ時期

に同じようにはできないのだなぁと〇ちゃんに教えられました。

仮に無理にでもやっていたら・・・と想像していみると、

〇ちゃんがあんなに楽しくイキイキと公園とネコさんの絵を

描くことはなかったのではないかと思います。


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カテゴリ:もうすぐ小学生 6歳児
新1年生 ようこそおひさまクラブへ!

新1年生には2年生の女の子メインのグループに入って

もらいました。今回は3年生の男の子も来ていて

その子がリーダーシップをとって自己紹介をしてくれました。

2年生や3年生の子ども達は少しお姉ちゃんお兄ちゃんらしく

見えます

3年生の★君が「今日はオレの誕生日!」というと

2年生の女の子数名が「じゃあケーキを作ろう!」と盛り上がり

ました。文字を書くのが苦手な女の子が材料を紙に書き出して

くれました。材料を準備してさっそくスポンジ作りからスタート!

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ケーキ作りに興味のない子は

オセロ

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将棋

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編み物

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スポンジケーキを焼いている間に生クリームの泡立て

をして、スポンジケーキに飾り付け

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イチゴはきれいに包丁でカットして飾りつけ

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きゅうきょ、ケーキ作りには参加しなかった男の子達の

出し物が始まりました。人形劇、手品?!

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写真は、みんなが楽しそうに過ごしている場面なんですが

この合間、写真に収めていないところではどれだけの

ハプニングがあったことか💦

まずは、「イヤダ!帰りたい!」「レオ キライ!」と言って

大泣きしてくる子(この件についてもたくさん書きたいことが

あるのですが・・・とりあえずは様子だけ)

テーブルにのせていたケーキを落としそうになり、イチゴが

床に落ちて大泣き、いろんな不安と重なって「帰りはパパじゃ

なくてママのお迎えがいい~」と駄々をこねる子、

外でスプレーやペットボトルで水をかけあってふざけて遊ん

でいたのが、水が顔にかかって大泣きする子、

かと思えば、一番心配をしていた1年生の男の子が以外にも

3年生の★君とギリギリのところでじゃれ合ったり、一緒に

女の子に水かけて悪さをして、二人で逃げ回ったり・・・

すごく友情が育っていたりする場面もありました。


波瀾万象の半日でしたが、新1年生達はどうだったでしょうか?

これからおひさまクラブの仲間として、一緒に笑って、泣いて

怒って・・・いろんな経験をしていこうね!

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カテゴリ:おひさまクラブ
ママがいなくても~

2歳の☆君、ママのお仕事の都合で初のひとりリボンクラブ

予想通りはじめは、「ママがいい~」と大泣き💦

この年齢での大泣きは母子の愛着関係が上手くいっている

証拠なので泣くのは当たり前です。

大泣きしても、いつもの人、いつものおもちゃの安心感もあってか

気持ちの切り替えは思いのほか早く、集中して遊びだしました。

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いつものお友達が来る頃には、ママがいないことを

受け入れて、遊びに夢中です。

お天気も良かったので、ウッドデッキで水遊び

〇ちゃんのお姉ちゃんも一緒になって遊んでくれて

ご機嫌な☆君。

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〇ちゃんが蛇口のお水を出せないで困っていると

さっさと自分が行って代わって問題解決!

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大きなペットボトル(5ℓ入り)に水を一杯入れてひとりで抱えて

運ぼうと必死💦

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2歳児にさんにとってママがいないことは、大人が想像する

以上に辛いことなのだと思います。淋しい気持ちを少しでも

緩和させるためには、できるだけ同じ人、同じ環境で安心し

て遊べる雰囲気は大切にしたいですね。

☆君はパパのお迎えで大喜びで帰っていきました!!

良かったね💛

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カテゴリ:一人であそべるよ! 2歳児
自主性や意欲の源

4歳のお姉ちゃんがストライダーに悠々と乗っています。

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お家にもストライダーはあるのに、あまり乗っていないという

3歳の☆ちゃん、4歳のお姉ちゃんにつられて「私ものる!」と

言って、不安そうにチャレンジ!

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フーセンゲーム

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虹色のヘビゲーム

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子ども同士の影響力は絶大なものがあります。

大人がなだめすかして、どんなに声掛けしても

全くやらなかったことが、お友達がやっていると

いつの間にか、自分もやりたくなって、やっている

ことはよくあることです。もちろん気持ちが向かない

ときはやりませんが・・・。



いつも先生がいて、あーしてこーして・・・と手取り足取り

しなくても、子どもは周辺の環境から何かしら影響を受け

自分の内面から「やってみたい!!」という意慾が

湧き上がってきます。

中高生になっていきなり「自主的に~」とか「主体的に~」

と言われても、幼少期に自分の中から湧き上がるやりたい

ことをやった経験がない子に、意欲や主体性をどうやって

教えるのか?いつも疑問に思っています。


3歳児の「イヤ」「チガウ」「ダメ」は自我の芽生えでもあり

「私はこうしたいのだ!」という気持ちの裏返しでもあります。

反抗する力は、自分はこれをやりたいという気持ちを強く、

たくましくしてくれる土台にもなります。

3歳児さんのパワーが、あそびや身体運動に注がれると

とてもイキイキと元気いっぱいです。




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カテゴリ:いや いや! 3歳児
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