TOP番外編遊びを通した子どもの心の安心サポート

遊びを通した子どもの心の安心サポート

 日本プレイセラピー協会は過去の経験から、災害時においての
幼い子どもたち(0~6歳の未就学児)への心のケアが手薄になり
がちであることを認識し、そこで、日本ユニセフ協会と協同で幼い
子どもたちへの心のケアをサポートする活動が行なわれています。

遊びを通した子どもの心の安心サポートというマニュアルを作成
されています。一部抜粋してご紹介します。



「大きな災害が起きた後、目に見えるような反応を示していない子どもでも、必ず何かしらの影響を受けています。
それは被災地の子どもだけに限りません。ニュースや大人からの情報により、少なからずショックを受けるものです。」

「乳幼児(0 ~6歳)の子どもによくみられる反応
•おもらし、指しゃぶり、赤ちゃん言葉、しがみつきなどの「赤ちゃんがえり」
•大きな音に驚きやすい
•体が緊張して、硬くなる
•体験した出来事のことばかり何度も話す
•体験した出来事に関連した遊びを繰り返しする
•ぐずったり、かんしゃくを起こしやすい
•無口になったり、元気がなくなったりする
•眠りたがらない、夜中に目を覚ます
•体調の不良や頭やおなかの痛みを訴えることが多くなる
•わがままになる
•いつもは好きなはずのことをしなくなる

つらい体験をした後の脳の働き方 
脳はつらい体験に対して、本能的に自分を守ろうとし、本能的に動くために必要な『感じる脳』を働かせ、より複雑でエネルギーと時間のかかる『考える脳』を休ませようとします。その体験が怖ければ怖いほど、そうした働きが強まります。また『感じる脳』に貯められた体験を『考える脳』へと渡すための橋である脳梁も小さくなってしまうのです。こうなると、つらい体験についての意識的な記憶はぼんやりし、言葉で話せる記憶としてではなく、気持ちや感覚の記憶として残ります。その場合、つらい体験を言葉で思い出そうとしても、言葉として記憶されているわけではないため混乱します。また、つらい体験の後、生活全般においても、考えることがうまくできなかったり、気持ちが高ぶったり、感覚的な情報収集に努めたりすることが、ある期間続きます。

子どもへの対応
普段の生活の中での対応
 
一番大事なことは、子どもが「安心」と「安全」を感じられるようにすることです。以下は、毎日の子どもの日課の中に取り入れることのできるいくつかのやり取りや関わり方です。参考にしてください。
1)「大丈夫だよ」というメッセージを様々な形で伝える 子どもはこれまで以上の安心感を与えてもらう必要があります。「大丈夫だ よ」とことばで伝えたり、抱っこしたり、背中をなでたりと安心できるようなスキンシップも役に立ちます。特に赤ちゃんは、今まで以 上に多くスキンシップをとることが大切です。
2)睡眠や食事などの日常生活をなるべく規則正しく送らせる毎日ほぼ一貫して同じように過ごせること、次に何があるかの見通し を持てることが必要です。もちろん身体の調子を整えやすくなり、心身両面に効果があります。
3)親や保護者から離れにくい場合には、無理に引き離さない 親や保護者のそばにいたがるときは、安心感と安全感を今まで以  上に必要としている表れです。
4)楽しみにしていることは続けさせてあげる
 生活において楽しい体験、たとえば、寝る前のお話、いってらっしゃいのタッチをする習慣などは引き続きさせてあげる必要が   ります。ただし、以前楽しみにしていたことや、大人から見て良いと思われることでも、それが引き金となってつらい体験後の反応 が引き起こされるようなことがあれば、無理にさせないでください。
5)コントロールの感覚を持たせてあげる
 つらい体験をした子どもは、自分がきちんとコントロールできているという感覚を持てないときに、つらい反応をより表す傾向
 があります。子どもが安全で、居心地良いと感じられるようにするためにも、できる範囲で子どもに選ばせたり決めさせたりして、
 自分がコントロールできている感覚を子どもに与えましょう。たとえば、子どもに今日着る服を選ばせるなど、日常の些細なことで コントロールの感覚を幾分かでも持たせることができます。
6)身に起きた出来事を繰り返し話すときには、何度でも話に耳を傾けてあげる
 子どもは、つらい体験について繰り返し表現をする必要があります。思いやりをもって時間をかけて聞いてあげることが、癒しの  プロセスには必要なのです。ただし、無理に話させたり、引き出したりしないようにしましょう。子どもが自分のペースでそれを行う ことが大切です。
7) 子どもが遊べる時間をできる範囲で確保し、できれば親も一緒に遊ぶ時間を少しでも持つ遊ぶことで、つらい体験を乗り越える 元気を得て癒されます。詳しくは、次ページ以降の「遊びの中での対応」をご覧ください。
8) 子どもがぐずったり、イライラしたり、乱暴なことをしたときは、子どもの気持ちをまず受け止める言葉を伝える
 「なんだかいやな気持ちなんだね」「怒りたい気持ちなんだね」など。子どもは、気持ちを受け止めてもらえると、要求自体が叶わ なくても落ち着きやすくなります。
9) 子どもが見通しを持て、正しい理解ができるように、子どもとよく話をし、子どもの年齢に合った適切な情報を与える
 子どもは「見通しが持てない」「知らない」とき、不安や恐怖が募ります。そして、出来事を実際起こったこと以上に恐ろしいものと して空想します。伝えることがとてもつらくても、子どもに真実を伝えましょう。また、子どもは、「自分がいい子じゃなかったから起 きたんだ」と考える傾向があります。そんなときは「あなたは悪くない」とはっきり伝えましょう。


遊びの中での対応 
ここでは、つらい体験をした子どものために、親や周囲の大人が遊びを通してできる様々な対応について説明します。
1) 子どもにとって『遊び』とは
① 表現をする手段
 大人は、言葉にすることで人に伝えたり、状況を整理し、「あぁ、あれはこういうことだったんだな」と理解します。現実は変わらなくても、信頼できる相手に話を聞いてもらうことで安心することもあります。子どもは、言葉のかわりに『遊び』を通じて表現します。たとえば、「ちょうど出かけようとしたら地震があってね、それはもうびっくりしてその場に伏せて…」と言葉でいうかわりに、その場面をごっこ遊びで表現し、絵を描いて人に伝えたり、思いを分かち合ったり、ゆっくりと自分のペースで理解し整理したりするのです。
なお、赤ちゃんは遊びで象徴的に表現するのではなく、行動で表現します。怖い体験はしっ
かりと赤ちゃんにも影響を及ぼしているので、遊んでいるときにいつも以上に叩いたり噛んだり、
ぼうっと指をなめ続けたり、視線が合いづらいと感じたときは、大人が察してあげる必要があり
ます。第2章で述べた乳児の反応も参考にしてください。
② 脳の働きを助ける
『 第3章 脳の働きを知る』にあるように、処理されないつらい記憶や気持ちが、『感じる脳』の中に残ります。残った記憶や気持ちを処理するためには、『感じる脳』に直接働きかけることが必要です。『感じる脳』に直接働きかけるもの、それが『遊び』です。『遊
び』によって『感じる脳』に働きかけることで、言葉にならない様々な気持ちや考えが整理されて、不安や混乱した気持ちが軽減します。実はこれは子どもに限らず、大人も同じです。整理されない様々な気持ちがあるときに遊ぶことは、子どもにとっても大人
にとっても心を落ち着かせる大事なことなのです。
③ つらい体験を乗り越えるもの
 子どもも大人同様、自分のつらかった体験と向き合う過程を経て乗り越えます。子どもは『遊び』を通して繰り返し出来事に立ち戻りながら、自分でストーリーの結末を変化させ、怖くてつらい体験を心の中で乗り越えようとします。子どもは自分で遊びでやってみることで、つらい出来事を“自分で乗り越えた”という感覚をつかみます。つらい体験から起こる恐怖心の表現は、より直接的な表現(たとえば地震や津波そのものを再現した遊び)である場合もあれば、象徴的な表現として遊びや絵に現れたり、悪夢として現れたりします。
もし遊びで表現する(言葉での表現も同様)ことをやめさせてしまったらどうなるのでしょう。子どもはつらい体験にがんじがらめになり、つらい体験に対する反応は固定し、今後の人格形成に影響を及ぼすことになりかねません。大人が、子どもの表現するものを見守り受け止めてやることが重要なのです。そうすれば、子どもは安心してつらかった体験と向き合い乗り越えていくことでしょう。

子どもにとって『遊び』の利点
① まだ発展途上にある言葉に対し、『遊び』は子どもの発達に最も適した表現手段です。
② 子どもは『遊び』が大好きです。
③『 遊び』は、子どもが必要なだけ繰り返しできます。
④ ひとりで抱えていた気持ちを外に出せるので、不安が減ります。
⑤ 友達や大人と一緒に遊ぶときには、人と一緒にいる心強さや安心感を持ちながら、安全な
状況で実体験を振り返ることができ、乗り越えやすくなります。
⑥ 適切な対処方法を身につけさせます。
⑦ つらい体験後の反応を減少させます。


どのような『遊び』をすればいいのか
 『遊び』には大きく分けて構造的な遊びと自由遊びの2種類があります。構造的な遊びは、ルールや手順が決まっていて、大人が子どもに遊び方を提示して、大人と子どもが、あるいは子ども同士がみんなで遊ぶことです。自由遊びは、大人が見守る中、子どもが自発的に自由に遊ぶことをいいます。
子どもがつらい体験を乗り越えるためには、構造的な遊びと自由遊びの両方をする機会を持たせてあげることが重要です。なぜなら、構造的な遊びは『感じる脳』の主に五感に働きかけるものあり、一方自由遊びは『感じる脳』の主に感情に働きかけるものだからです。

具体的な遊びはマニュアルの中に記載されています。
次にご紹介します。

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カテゴリ:番外編
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