TOP子どものあそび心理研究所子どもの内的世界を表現する遊び

子どもの内的世界を表現する遊び


「遊戯療法の世界~子どもの内的世界を読む~」(東山紘久著)

の冒頭に牛の訓練をする名人のお話がありました。

暴れたり、まっすぐ耕さなかったり、言うことを聞かない牛を

訓練士に一週間預けて訓練してもらうそうです。

どんな牛も1週間で治すといわれる名人の訓練方法は

他の人とは少し違うのだそうです。


「彼は訓練場としてかなり広い泥田を用意している。

連れてこられる牛は、例外なく警戒的であり、言うことを聞いて

やらないぞと不敵に構えている。

彼は牛を連れて泥田へ行き、牛に一言二言、声をかけて、そのまま

泥田へ放してやるのである。牛ははじめ戸惑いを感じるが

そのうちに、田んぼを走り回ったり、ころがったり、あぜの草を

食ったり、好き放題に遊んでいる。名人はそれをキセルをくわえ

ながら見ている。長い時は3日も4日も見ているのである。

名人はただみているだけである。

そのうち牛がリラックスしてき、名人の方を気にしだすそうである。

なぜ、この人は自分に何も言わないのだろうかと。そして「もー

充分遊んだ」と牛がいうまさにその時に、名人はやおら立ち上がり

牛にすきをつける。牛は、やはりこれが人間の本性かとばかりに

すきを引いて、あちこち走り回る。名人は、牛の後を牛の行く

通りについていく。牛はこれでもか、これでもかというように

縦横無尽に走り回る。名人はそれでも牛の行く通りについて走る。

数時間たつと、牛は立ち止まって、不思議そうな顔をするそうで

ある。名人がニッコリして「さぁ まっすぐ まっすぐ」と言うと

牛もニッコリしてまっすぐにすき始める。

私はこの話を聞いて、名人はやはり名人だと感心した。それは

目的は違うが、名人の態度と呼吸が、プレイセラピストのそれと

非常に似ていることを直感したからである。

プレイセラピーィにおいて子どもとセラピストがともに自由に

しておれる場が必要であること、簡単な場面構成をして

子どもが自然に動けるまで自然に待つこと、ここという

タイミングを逃さないこと、子どもに任せてどこまでもついて

いくことは、プレイセラピストの基本的態度である。

名人と牛のように、プレイセラピストが子どもとの関係を

作れれば、子どもは自らの存在を自覚できるようになる。」



直感的に私もとても共感するお話でした。

牛の訓練とプレイセラピィーが似ている?

あそびのアトリエも似ている?


訓練士やセラピストは、厳しい訓練や躾や道徳を一方的に

押し付けず、自由な空間の中で、当事者が自分で考え判断した

上でコミニュケーションをとる。

簡単に見えて、それぞれのケースによって違うし、相手に

絶対的な信頼をおいていないとすぐに見破られるだろうし

かなりの力量が問われます。

とても参考になる本でした。

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ
↑ワンクリックご協力お願いします。m(__)m
カテゴリ:子どものあそび心理研究所
テーマ:子育て・教育 - ジャンル:学校・教育
Back | Top Page | Next
Comments
2014/05/02
from ジェリー
#- URL
なるほど。とても興味深い内容ですね。
「1週間で治す」とは、どんなスパルタ訓練かと思いきや、「好きなようにさせておく」という真逆の接し方!
そして、ここぞというタイミングのよさがまさに名人技という訳ですね!
それがわずか1週間でできてしまうというその早さといったら驚愕です。
その方法が最も早くて、手を焼くこともなく上手くいくということなんですね。
人間はもっと複雑な感情が絡まるため1週間とはいかないまでも、
その方法には通ずるものがあると感じました。

コメント投稿













管理者にだけ表示を許可する


Trackback

FC2ブログユーザー専用トラックバックURL


| Top Page |