TOP2018年04月16日

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岡田尊司著「愛着アプローチ(医学モデルを超える新しい回復法)」

岡田尊司先生の愛着理論は子どもと接している人は

とても参考になります。新刊をご紹介します。

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「医学モデルでは対処できない問題に出くわしたとき、しばしば有効なアプローチとなるのが、本書のテーマである愛着アプローチである。(略)特に有効なのが、子どもの問題や親子関係、夫婦関係など、親密な愛着関係がからむ問題・・・」

「医学モデルがその人の可能性を狭めてします危険性も指摘されている。病気や障害と診断されたために、周囲も本人も過度に期待することをやめ、それによって負荷や葛藤が減り、安定した生活が送れるようになったケースがある一方で、病気や障害だから仕方がないと、将来の可能性まであきらめてしまうケースも少なからずあるからだ。
たとえば、ある内気な少女は、小学生の時、受診した医療機関で、知的障害を伴う広汎性発達障害と診断された。それまで何とか指導しようとしていた母親も、障害なら仕方がないと、その後は教育にも関心をなくし、本人の好きなようにさせた。いじめから学校を休みがちになっても、自宅でゲームや漫画に明け暮れるままにしていた。中2になっても、アルファベットすら書けず、辞書も引いたこともなかった。・・・いさかいが増え、体も大きくなった娘を抑えきれなくなった母親は、筆者が顧問を務めるカウンセリング・センターに助けを求めた。若手の女性心理士が担当することになり、話を聞いたり、勉強を教えたり、社会的スキルのトレーニングをしたりすることになった。最初は嫌々やってきた少女だったが、心理士に会うことを楽しみにするようになった。2年後少女はまったく別人になっていた。高校に通い、一番苦手な英語も、合格点が取れるようになった。医療系の仕事に就くことが将来の夢だと語るようになった。
 なぜ、ここまで回復できたのか。最大の理由は、母親は、障害という診断を聞き、何をしても無駄だと諦めてしいまったのに対して、女性心理士は、少女の中に眠る可能性を信じてかかわりつづけたのだ。医学モデルが下す「障害」という診断は、危険な一面もある。あまりにも尚早に、「障害」と診断されたために、周囲があきらめモードになり、必要な働きかけを怠ってしまうことも起こり得る。医学に対する信頼性が高いだけに、その宣言は、途方もない影響力を持ってしまう。」

「愛着モデルは、その人の「安全基地」が上手く機能し、愛着が安定していることが、ストレスからその人を守り、心身の健康を支えてくれるだけでなく、外界への積極的なチャレンジや社会参加をバックアップすることにより、高い適応力やパフォーマンスをもたらすと考える。子どもにあっては、知的、情緒的、社会的発達や心身の成長を応援する。」

「愛着モデルでは、その人が幸福に生存するうえで第一に重要なことは、その人の安全基地が上手く機能し、安定して愛着関係を維持していることにあると考える。それゆえ、その点を損なっている事態がないか、まず注意を払う。(略)現在、増加が目立つのは、安全基地であるはずの存在がいちばん足を引っ張っているというケースである。医学モデルが、通用しなくなっている原因の一つがそこにある。」

「同じ遺伝子をもっていても、生後早期の段階で、恵まれた環境で育った場合と、そうでない場合には、遺伝子の発現が変わってきて、全く異なる行動パターンや性質を見せるようになる。ADHDの遺伝子をもっていても、親が共感的かかわる場合には、子どもは、あまり行動上の問題が見られないことも知られている。特に幼い頃の母親の感受性が、行動上の問題を表面化させるかどうかを大きく左右するという。環境要因がADHDのリスク遺伝子の発現に重要な役割を果たすのである。」

「愛着モデルもまた、生物学的なモデルの一つであり、人間にだけではなく、哺乳類全般に当てはまるモデルである。心理学的モデルも、もちろん重要なものなのではあるが、生物学的なモデルは、より直接的に生存にかかわっている仕組みを説明するものである。心理学的な現象が、せいぜい百万年程度の歴史しかもたないのにたいして、生物学的なメカニズムは何百万年という時間の中で生き残るために進化してきた仕組みである。より土台の部分にかかわっていると考えられる。心理学的モデルは、上位構造やその機能を説明するものであり、下位構造にかかわっているのが生物学的モデルなのである。そして、薬理学的モデルや医学モデルも、生物学的なモデルに基づいている。(略)生物学的な仕組みの方が土台にあるので、土台を痛めつけながら、上物だけを改善しようとしても、上手くいかない。土台である愛着部分を傷つけられたことで、その上に乗っかっている認知も、よけい不信感を強める方向に傾いてしまったのだ。(略)優れてカウンセリングや心理療法において行っていることは、純粋に心理学的な操作だけでなく、愛着への働きかけといった生物学的な関与もなされている。」

岡田尊司著「愛着アプローチ(医学モデルを超える新しい回復法)」より抜粋




岡田先生ご自身、京都医療少年院などで困難な課題を抱えた若者

達と向かい合い、現在は岡田クリニックの院長として、様々な問題

を抱えた子どもたちと向かい合う中で、医療では解決できない問題

を試行錯誤しつつたどり着いた今の答えが「愛着アプローチ」なの

だと感じました。

私も自身の体験として共感する部分が多く、子どもの問題行動に

対応する時に、「安全基地」として機能を一番大切にして、愛着に

アプローチすることは、とても有効な手立てだと実感しています。

しかし、このことを理解してもらえる人は少なく、当たり前すぎて

言葉にしてもなかなか伝わりにくかったり、内面的なことなので

見過ごされやすいのです。

岡田先生は実践をもとに、「愛着」の重要性を理論的に説明され

ています。

岡田先生はこうも言われています。

「これまでの研究では、恵まれない遇にもかかわらず愛着が安定している人では、振り返る力であるリフレクティブ・ファンクションが高いと指摘されている。また、不安定な愛着の人が、安定型の愛着に変わっていくとき、リフレクティブ・ファンクションが高まり、自分の状況を客観的に振り返ったり、相手の立場にたって考えたりすることができるようになることも知られている。
振り返る能力と、相手の立場にたって思いやる能力は、自分の感情や利害といった狭い視野を超えて別の視点で事態を見るという意味において、どちらも自己超越の営みといえる。自分の痛みや恨みといったとらわれを脱するためには、自己超越することが最大の課題になるのである。」

母親の問題で安全基地が不安定で、安定した愛着を得る

ことができなかった傷ついた心を持った人が、自分を受け

入れ母親を受け入れるまでの過程は簡単な道のりでは

ありません。

振り返る能力と相手の立場にたって思いやる能力を身に

つけることで、母の生い立ちや境遇に目をやることができ

るようになり、そこではじめて母を許すことができ、自分を愛し

受け入れることができるのではないかと思います。




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