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岡田尊司著「愛着障害の克服~愛着アプローチで人は変われる~」

ブログでも何度もご紹介する著者の岡田尊司先生は

精神科医として、京都医療少年院などで困難な課題を

抱えた若者に向かい合い、現在は岡田クリニックの院長

として患者さんと向かいながら体験されていることを本に

されています。

岡田先生の本は何冊も読んでいて、私が疑問に感じて

いることを言葉でわかりやすく表現されています。

今回ご紹介する本もとても参考になったので一部

ご紹介します。




愛着とは、母親との関係によって、その基礎が作られる絆だが、それは他の人との関係に適用され、また修正されていく。愛着は対人関係の土台となるだけでなく、安心感の土台となって、その人を守っている。愛着というメカニズムの正体は、オキシトシンというホルモンによって支えられた仕組みである。オキシトシンは、脳の中では神経伝達物質のように働いている。安定した愛着は安心感を高め、ヒトとのふれあいに喜びを生み出すため、育児や夫婦関係のような親密なかかわりを維持するとともに、幸福と社会性の源ともなっている。」

「幸いなことに、遺伝子とは違って、愛着は、ある程度可塑性をもつ。成人した後でさえ、不安定だった愛着が安定したものに変化することもあるし、その逆のこともある。愛着が、幸福や社会適応に極めて重要だとすると、愛着が安定したものとなることは、人生を幸運なものにも不幸なものにもする重大な決定要因だといえる。」

「愛着の問題は、特別な患者さんの問題というよりも、今や一般人口の何割かが抱えている問題であり、親や子ども、夫婦の関係を考えていく際に、必ずかかわってくるハードルだからである。愛着は、人を脅威や不安から守り、安心と幸福を保障する仕組みである。絶えず不安や脅威を感じていて、あまり幸福だと思っていない人も、愛着という不思議な仕組みについて知り、そしてそれを活性化し、安定化するために方法を学ぶことは、じつは世の中のどんな知識にも増して重要なことに思える。」

「ボウルビィは「捕食動物に食べられる」という危険から子どもを守るためには、幼い子どもが母親にくつっいていることが必要であり、身体的な密着を求めようとする仕組みが進化したのだと考えた。その後、ボウルビィは、単に捕食者から身を守るだけでなく、不安を感じたときに愛着対象にしがみつくことができるということが、安心感の拠り所となり、活発な「探索活動」を支えているという考えを発展させた。つまり、安心感の拠り所をもつことによって、子どもは知的、社会的、情緒的経験を積むことができ、健全な発達を遂げ、安定した人格を獲得することができると考えるようになったのである。」

「発達障害は、遺伝的な要因が強い障害だと考えられているので、治療そのものも難しいとされている。まだ幼いうちであれば、療育を受けることで改善が期待できるとされるが、どのような療育方法が改善に有効かについては、まだよくわかっていないのが実情で、試行錯誤しながら、さまざまな試みがなされている。遊びの中で自然に身に着けさせるのがいいという人もいれば、多少無理にでも教え込む必要があると考える人もいる。四つん這いで歩くのが最も有効だと考える人もいれば、ピョンピョン飛び跳ねてバランスをとるのがいいという人もいる。専門家の意見はまちまちだ。だが、ある意味、何かをするよりも、もっと大事なことがあるのかもしれない。それは、「子どもが楽しんでやっているか」ということを「療育の担当者やその場が、子どもにとって安全基地となっているか」ということである。(略)両親と安定した愛着を育むことが、療育や障害のトレーニング以上に、その子を守ることになる。そして療育やトレーニングの効果も出やすいのである。」

「これほど医学が隆盛を極め、莫大な医療費がつぎ込まれているにもかかわらず、人々の幸福度は下がり続け、心を病む人も増え続けている。しかもその人たちを苦しめる問題の多くに、医学は有効な手立てを提供できなくなっている。(略)医学に手に負えない問題が、愛着に働きかけ、愛着システムを強化するアプローチによって、しばしば改善するという事実は、まさに我々を苦しめているものの正体が、医学的な病である以上に、愛着という仕組みがダメージを受けることによって引き起こされた愛着システムの障害の産物であるということを裏付けているだろう。そのことは同時に、我々が直面している問題に対してどう対処すればいいのかを、明確に示しているように思える。」





親子の愛情、夫婦の愛情、誰もが当たり前だと頭では

理解しているつもりのことが、実は一番おろそかにされて

いるように感じます。

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子どもの脳は疲れはてている?!

三池輝久先生著書「学校を捨ててみよう!」をもう一度

読み返しています。(2002年出版)

三池先生のご専門は、小児神経・筋疾患、小児発達障害

小児精神神経疾患。不登校状態の子どもの体についての

研究・治療をすすめ発表をされています。

本には子どもの睡眠から見えてくる様々な社会的問題が

指摘されていてとても興味深い内容です。

不登校になる子や犯罪を犯した子ども達が(一般の子

ども達も同様)、どれだけ小児慢性疲労状態に陥って

いるかということを医学的な視点から証明されています。

慢性疲労症候群では睡眠中の脳温が低下していない

ので、睡眠をしていても脳が休まらずにオーバーヒート

をした状態になっているのだそうです。

睡眠は時間的な問題だけではなく、質の良い睡眠をとる

ためには日常生活において不安感が強かったり、良い子

で頑張り過ぎて自己抑制をやり過ぎると、心身に問題

がでてくるのだということも分かり易く説明をされています。

「学校を捨ててみよう!」という本のタイトルだけを見ると

「え~なに!!」とビックリされるかもしれませんが

三池先生がご自身の専門の立場から懸命に子ども達を

守ろうとされている姿に感銘を受けます。

先生は本の最後に「学校を捨てれば、子どもは救われる

という状態が、一刻も早く解消されることを私は望んでいる」

と書かれています。このことを実現するためには、子どもを

変えるのではなく、私達大人が子どもの苦しみを感じ

自分の都合ではなく、子どもの心の声に耳を澄まし

大人の責任として何をすべきか、もう一度考え直さな

ければいけないと思いました。

本の出版から15年経た今、学校が良い方向には向

かってないと感じているのは私だけなのでしょうか?


明日の講演会で三池先生から直にお話を聞けるの

が楽しみです。

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本の紹介~子は親を救うために「心の病」になる~

最近読んだ本をご紹介します

「子は親を救うために「心の病」になる」

著者の高橋 和巳先生が精神科医として経験されてきた

事例をわかりやすくまとめられていて、まるで自分がカウ

ンセリングを受けているような気持ちになりました。

様々な事例から、母子関係の大切さがヒシヒシと伝わって

きます。本を読み進めていくと、子どもの問題行動には

理由があり「子どもが反抗するのは母を救うため…」という

意味がわかります。そして「親が自分の苦しみに気付いた

ときに子どもの「心の病」は消える」
言われいます。


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「身体を忘れた日本人」

養老孟子氏とC・Wニコル氏対談

本質をついたお二人の対談は、共感してうなづくところ

考えさせられるところ…たくさんありました。

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「敏感で傷つきやすい人達」著者・岡田尊司氏

神経系からくる敏感さ、母子の愛着関係からくる敏感さ

発達障害との関係性等、漠然と敏感と感じるだけでなく

敏感さの原因を知ることでケアの仕方も違ってきます。

敏感な子ども達を理解するためにも、とても参考になる

1冊でした。

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本紹介「子どもが体験するべき50の危険なこと」

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タイトルが面白そうだったので買ってみました。

著者のゲイバー・タリー氏はカリフォルニアで子ども達に

モノづくりを教えるティンカリングスクールを開設されていて

います。そこでは、すべては無茶をやることから習得された

というゲイバーの信念に基づき、壮大な構想、クレイジーな

観念、想像力の直感的な飛躍が尊重され育まれるのだそう

です。


本の中には50の危険なこと、例えば「車の窓から手を出して

みよう」「9ボルトの電池をなめてみよう」「ポリ袋で爆弾を

作ろう」「紙コップでお湯を沸かそう」等々・・・

大人は「危ないからやめなさい」と一蹴してしまいそうですが

でも、子ども達はやってみたい!又はやっていいの?と言

いそうなことばかり。

大人と一緒にやるのはもちろんですが、やり方、注意事項、

発展した科学的な視点での説明もあります。


本のはじめに、ゲイバー氏はこう書かれています。

もちろん、子ども達を危険から守ることは必要です。

それは社会人としての私たちが、子ども達に約束して

いることです。しかしそれが過保護になってしまっては

子ども達の危険に対する判断力が養われず、社会の責任

が果たせません。私たちがするべきなのは、未知のものと

本当に危険なものとを区別つけられるよう、子ども達に学

ばせることです。(略)

「読み書き計算の力は、新たな知識を獲得するための

そしておそらく「力量」を育てるための窓口に過ぎません。

森の中で育った子ども達は、本で森のことを学んだ子ども

達よりも、実際の森の中で快適に過ごせるはずです。

同じように自分でたき火を起こしたり、木に登ったりした

経験のある子のほうが、それをビデオでみただけの子ども

よりも、そこで目撃した物理的現象を、ずっと深く、具体的

に理解できます。(略)

「力量」とはなんでしょう。私は現実世界で困難な問題に

遭遇したときに、うまく対処できる力だと考えています。(略)

「力量」ある人は、物をいじくり回して仕掛けを探るくせが

あります。彼らはよく質問をします。答えが得られないときは

自分で答えをみつけようとします。(略)「力量」のある人は

自分に自信を持っています。力量は自分を構成する部品の

ひとつなのです。なぜなら、どんな状況で何が起きても

対処できることが自信につながるからです。



とても共感しました。子ども達は、あらゆることをやってみたい

と思っています。それにはたくさんの危険なことも含まれます。

危険なことは全て取り除くのではなく、何がどれくらい危険

なのかを知り、危険な物(ナイフや火等)を「危険だから使わ

ない」のではなく、経験を通して上手く使える方法を体得す

れば、子どもの大きな自信に繋がり、自分の力でできることが

グンと増えます。そういう繰り返しをしながら、心や身体が

知識とともに育まていくのだと思います。

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「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」(青土社)

「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」(青土社)

著者の森川すいめいさんは自殺が少ない「自殺希少地域」を

研究されている精神科医です。

私もまだ本は読んでいないのですが

ネットのの中で森川さんのインタビューを読んで

共感する部分があったので少しだけご紹介します。




失敗してもいい」という大人のフォローが子どもの力をはぐくむ

若い人たちの自殺が社会問題化しています。あえて、お伺いしたいのですが、子どもたちの自殺をどうやったら止めることができるとお考えですか?

この議論をする時には、「外」と「自分」に分けて考えるといいかなと思います。まず、「外」ですが、鎌倉市図書館の話にもあったように、どこかに居場所をつくったり、環境をととのえたり、その質は高めていかないといけません。かつて、フィンランドでは自殺で亡くなる人がとても多かった。そこで、1986年から本格的に対策が行われ、自殺が一気に減りました。国がたくさん居場所や人を助けるシステムとつくり、そこにお金をかけたからです。次に「自分」ですが、フィンランドは同時に、個人の教育、一人ひとりの力を高めることもやりました。

じゃあ、日本の若い人たちをどうするかといった時、若くない人たちがこんなに生きづらい社会の中で、「外」をなんとかするのはとても大切ですが簡単ではありません。そこで、一人ひとり、どうしたら生きやすくなるのかという学びを知るのを同時に行うことが大切です。。受験勉強ばかりしていると、人との関わりが減るので、コミュニケーションがどんどん下手になり、人間関係がすぐ悪くなってしまう。SNSは自分の好きな人とばかり集まってしまうので、自分たちと違う人がわからなくなる。自分の中の多様性と、多様性を包摂する力は、こうした環境だとなかなか育ちません。

だから、子どもたち同士で遊んで、たくさんケンカして、ケンカした後にちゃんと話し合えるようにする。20回くらい失敗しないとわからないこともあります。失敗したら排除するんじゃなくって、「失敗していいんだよ」という環境を、大人が整えるのがとても大事です。ルールでがんじがらめにしてしまうと、子どもは自分の人生を試せないと思います。試してみて、たとえ失敗しても、フォローしてもらえるということが、子どもの一人ひとりの力がついていくことにつながる。その力がないと、対症療法しかなくなってしまいます。

自殺希少地域における岡さんの研究で一番、印象に残ったのが、先程も話にあった近所付き合いの意識調査で、立ち話程度が8割ということです。多くの人とたくさん軽いコミュニケーションをとって、対話に慣れる。対話に慣れることで、人は孤立しなくなる。そういうことがあるのだろうなと思います。




森川さんの研究は、子どもが育つ環境を考えるときに

とても参考になると思います。

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